2007年09月08日

輸入食品のお話3 「非自由化の抜け道」

今日は、輸入食品のお話、ひとまず最終回です。

横浜税関職員の高野広志様の講演を聞いて、その内容と感じたことを書いています。


輸入の非自由化のお話もされました。
輸入は原則自由ですが、国内の産業を保護するなどの目的で制限されている食品もあります。

米・小麦・イカ・豆・砂糖・塩が、これにあたります。


しかしながら、いろいろな抜け道があるのです。

まずは、加工をすると、自由化になります。

小麦はNGでもうどんはOK
豆と砂糖はNGでも、あんこはOK
なのです。

非自由化のはずの小麦がどうして自給率14%という低い数字なのかが、
見えてくるお話でした。


また、加工品は2品以上混ざると、原産地はかかなくてよいということもあります。

お刺身一品だと、「○○産」と書かれていますが、
お刺身盛り合わせだと、それぞれに産地は明記していないことが多いかと思います。
すごく納得しました。

これはあくまで一例ですが・・・と高野先生が挙げられたのが、
柿の種に、ピーナッツを入れると、原産地を書かなくてよくなります。
海外で生産・素焼きまでしたお煎餅を日本で味付け加工して、ピーナッツを入れることで、
「○○県産 柿の種」・・・・ということも可能になります。

※ここで「○○県産」と書かないところがミソです。


原材料名は、配合が多い順に書かれていることにも注意して確認すると、
おそばなのに、そば粉より小麦粉が先に書かれていることもあるので要注意です。
それは、「そば風うどん」
加工品でありますので、原産地(原産国名)は、書いていないかと思います。

またファーストフード店などの対面販売なら原産地を表記しなくてもよいことは、
以前のブログでもご紹介していたかと思います。



輸入食品が身の周りに多くある時代です。
必ずしも、安全ではないのではないか?
少しでも高くても、安全な物を食べるべきではないのか?

本当にそう感じました。


私の野菜を選ぶ優先順位は、

1・無農薬・旬のお野菜で、生産者の顔がわかるお野菜
2・地元産の旬のお野菜
3・国内産の旬のお野菜

外国産のお野菜は、自分で買い物をするようになってからは買っていません。

やはり安全性・ホストハーベスト(収穫後の農薬)も怖いですし、
フードマイレージの点からも、避けてしまいます。


今回の講演を聞いた直後の月曜日、TBSでの、
緊急提言「地球の危機を救うお金の使い方」という番組を見て、
考えさせられました。

地球のために、できること。

生きたお金の使い方をすること。

毎日の自分のお買い物が地球を救う手助けになる。

毎日のお買い物を大事に考えるようになりました。

  

Posted by kitten at 12:21Comments(0)輸入食品

2007年09月07日

輸入食品のお話2 「レモンの農薬の落とし方」

今回も、前回に引き続き。
横浜税関職員の高野広志様のお話から。

レモンの95%は、輸入です。
国産でないと買わないので、我が家にはほとんど登場しませんが・・・・。

主にアメリカ・チリ・南アフリカから輸入されます。

アメリカからレモンが日本に届くには、大体2ヵ月かかります。
通常でしたら、2割ぐらいは腐って当たり前です。

OPP・TBZ・イマザリル・2-4-D(枯葉剤)などの数種類の薬剤によって、
黄色い色とつやを出し、2年ぐらいもつようになります。
前にも記事に書いた、ホストハーベスト(収穫後の農薬)です。

レモンのへたの部分には、緑色を維持するためだけに、枯葉剤を施しているようですface08
消費者である私たちが「へたが緑で、黄色いレモン」を求めた結果なのでしょうが、
怖いですね。

「スーパーの安売り特価のレモンは、実は1年以上経過したレモンかもしれませんよ。」

そんな先生の辛口トークも、実は嘘ではないような気になりました。





さて、ここでこの農薬を落とす方法も教えて頂きました。

アルコールや熱湯(60%)で皮についた農薬は落ちるようです。

レモンティー・・・・。
焼酎のレモン割り・・・・は、かなり落ちます。


知っているのと知らないで飲むのとは、大きく違うと思います。





口から入る食べ物は、健康体であれば内臓(肝臓など)の俳毒機能により
9割は排出されるといいます。

無農薬や有機栽培にこだわらなくても、地元の野菜、そして旬の野菜を食べ、
バランスのよい野菜たっぷりの食事を心がければ、
人間の体は、とても賢いですので、要らないものを排出してくれます。

その中でも、食物繊維は、ダイオキシンや農薬、添加物まで追い出してくれます。
余分なコレステロールや腸内で作られてしまう有害な老廃物、発ガン物質も追い出します。

食物繊維を多く含む食品とは、もう既にご存知かと思いますが、
生野菜より、人参や大根やごぼう・レンコンなどの根菜類・きのこ類・芋類・海藻類の方が働きが強く、
その先に豆類、
そして一番強力なのが、穀類の繊維・・・・玄米や胚芽米です。

ま(豆)ご(ゴマ)わ(海藻類)や(野菜)さ(魚)し(きのこ類)い(イモ類)こ(酵素食品)を組み合わせた、
ご飯+味噌汁の和食献立は、やはり理想的だと思いますicon12


・・・つづく  

Posted by kitten at 10:28Comments(0)輸入食品

2007年09月06日

輸入食品のお話1 「自給率」

今日からは、輸入食品のお話を3回シリーズで。

先日の日曜日福島県健康管理士会「知って得する健康講座」
横浜税関職員の高野広志様の「輸入食品の裏側」の講演を聞きに行ってきました。

まずは、よく耳にする自給率。
今、日本の自給率は39%と言われています。

都道府県別に見ると、福島県82%
東京1%
大阪2%

福島県って素晴らしい?と思ったのですが、
東北6県の中では、実はワースト2face07
1位 秋田 164%
2位 山形 127%
3位 青森 115%
4位 新潟 103%
6位 宮城  78%

5年前の福島県は、自給率100%だったそうです。


高野先生のお話は、輸入の現実を突きつけられた感じでした。

平成16年の輸入届け出件数は、約180万件(1年毎に10万件増の割合です)、
総輸入重量は、34,27万トンにまでのぼるといいます。
それに対して、厚生労働省の食品衛生監視員は、全国で330人あまりです。

この輸入品の検査はどのくらいの割合でできているのかというと、
配られた資料より、10.5%(つまり18万件分です)

しかしながら、この検査には、
さまざまな検査(行政検査・指定検査機関検査・外国公的検査機関)があり、
輸入を差し止めたりすることのない検査も含まれ、検査がされたとしても、
分析検査が行われるのではなく「五感に頼る官能検査が一番多い」といいます。

本当に検査をされているのは、このうちの1%程度(1.8万件)と、おっしゃっておりました。

本当に検査をされていたとしても、サンプリング検査方法ですので、
1件に対して全輸入品を検査するわけではありません。
いくつかある積荷のコンテナの扉付近にある適当なサンプルを取り出して検査。
コンテナの扉とは反対側となる奥までは、サンプルを取り出すことは、不可能icon11
したがって奥にどんな状態の食品があったとしても、取り出したサンプルが合格してしまえば、
合格となります。


そして、その検査でも違反は約1000件は出ています・・・・。

1.8万件中の1000件です。

きっと、全部を検査をすれば、相当の違反がでる可能性があると・・・。

また、大豆や豆などの検査は、一度合格すると一年間有効となり、フリーパスとなります。



ラーメン1杯のの自給率は、4%だそうです。割合で言うと、国内産はねぎぐらい・・・。
原材料の小麦粉の自給率14%を考えてみると、渋々うなずけますが、
ラーメン好きの私には、ちょっとショックな数値です。

食べ物を買う際にも、食べる際にも、
知ってお金を払うのと、知らないでお金を払うのでは、
大きな違いがあると思います。

・・・つづく  

Posted by kitten at 10:03Comments(2)輸入食品