2010年11月01日

ヨーガ禅夏季特別研修会2010 理論研修 その2

理論研修「プラーナーヤーマについて」 その2 ※その1は、こちら 
尊敬する八田捷也先生のご講義から心の残ったお言葉を綴っていきます。


プラーナという言葉から考えなければいけません。
日本語では、呼吸法と言われます。
佐保田先生の言葉を借りれば、「単なる呼吸法ではないですよ。」ということです。

プラーナという言葉は、プラーナとアーヤーマという言葉と一緒になって、
プラーナーヤーマという一つの言葉になっています。

簡単に言うと、「プラーナをコントロールする、制御する」という言葉になります。

そのプラーナは何かというと・・・

私たちの心で考えることや肉体を働かせるには、
何かエネルギーや力が必要ですが、
そのエネルギー、その根本と考えてよいと思います。

そのプラーナが働くことによって、
私たちの全身が活動を可能にしている、
働かされているといってもよいかもしれません。
そういう大本の存在です。

プラーナーヤーマは、8段階のヨーガ(アシュタンガヨーガ)の中で、第4段階に位置しております。
(※8段階ともいいますし、8部門という言い方もします)

八段階のヨーガというのは・・・

1禁戒(きんかい)ヤマ 五戒 
2勧戒(かんかい)ニヤマ 五勧戒
3坐法 アーサナ
4調気法 プラーナーヤーマ
5制感 プラチヤハーラ
6集中 ダーラナ
7静慮 ディヤーナ
8三昧 サマーディ


ヨーガは、「瞑想が大事、心の集中が大事」といわれています。
心が集中できるためには、「さぁやりましょう」といってすぐにできるものではありません。
長年の積み上げがあって、始めてそれが可能になってくるのです。
ということは、日常生活の中から始まっているわけです。

つまりはじめの第1段階 禁戒(ヤマ)・第2段階 勧戒(ニヤマ)が
日常生活の中でちゃんと行を積んでいけるようになっています。

大変長い内容になりましたので、続きはこちらへ
第1段階の禁戒(ヤマ)と第2段階の勧戒(ニヤマ)は、日常生活で心がけることとされています。


第1段階(第1部門) 五禁戒(ヤマ)
 自分以外のものとの関係の規定

一 非暴力 
どんな場合においても、どんな生き物に対しても、傷つけるような暴力的な行為をしない。
殴るなどという行為だけはなく、言葉も傷つきます。
思いも傷付けることがあります。
その結果、自分自身が傷つくことになります。

二 正直
どんな場合でも嘘をつかないこと。正直であること。真実を語ること。
嘘をつくと、必ず嘘がばれないように、次の嘘をつかなければならなくなります。
いつも悩んでいなければならない。これも煩悩性の心の一つです。


三 不盗 
他人の所有物を盗まないこと。

四 不貧 
最小限度の必需品以外は何も所有しないこと。
過分に頂いてしまいますと、もっと過分に欲しいという心が、悩みとして出てきます。
それによって、不快の目を育ててしまう。
貪らなくてもよいところまで、貪らなくてはならない心を作り上げてしまう。

五 禁欲 
人間は、性的な欲望が強いです。
結婚している人は、浮気などをしないことも含まれます。


この五つが、普段日常生活の中で心がける五戒になります。


第2段階(第2部門)の五勧戒(ニヤマ) 自分自身に対するいましめ

一 清浄 
毎日、体も心も清らかに清潔にしておくこと。
五勧戒を守ることによっても、煩悩性の心が清められていきます。
ヨーガの全体は、体も心も清めていくこと。
心も体も浄化していくということ、そういう働きに繋がります。

二 知足 
不貪(貪らない)の逆です。
知足の心を持ち、いつも満たされている心を持ち、それ以上を求めないということ。


三 苦行 
毎日私たちがアーサナを続けること、プラーナーヤーマを続けることです。
あるいは、勤行する、マントラを唱えるなど。

四 読誦 
勉強すること、聖典読誦。
ヨーガでは、まさに根本のことを知る勉強をしなさい、となっています。
宇宙の根本は、ブラフマン、アートマン、プルシャ、真我などの言葉が根本経典などには書かれています。
そういうものの本質について勉強すること。学ぶこと。
極められた聖者方のお話を聞くことも、
お互いに勉強しあうことも含まれます。

五 念神 イーシュバラプラニダーラ 
山口惠照先生は念神といわれました。
佐保田先生は神明祈念といわれました。
要するに神を念じなさい。

神とは何かというと、一番根本の神はブラフマンです。
インドでは様々な何百種・何千種の神様がおいでになるといわれていますが、
大本は、ブラフマンです。
いつの世にも神様がおいでになる。
宇宙の根本が目に見える形で、
私たちが意識として感じられて形で、
現れてくる神様を「イーシュバラ」と言います。

要するに、自分の内側に、本当の自分、本当の神様がいるわけなのです。
それを念じていく。
そうすると、それにどんどん近づいていくことになってきます。


補足:ここの考え方は、非常に奥深く難しい内容となり、
まだまだ勉強不足のため言葉が足りない表現となっています。by kitten



上記のような禁戒・勧戒の行を毎日続けていって、
初めて8段階中の第3段階め、「アーサナ」に入ります。
安定して快適なアーサナができるようになります。

アーサナをする際に、ただ肉体だけを鍛えてもいけません。
心が乱れている状態でアーサナを行うと、
しっかりと座れているようでも、きれいな形ができていても、
すぐに崩れてしまいます。

それには、心を静めていかなければなりません。
煩悩性の心を生む働きをなくしていき、乱れないように、乱れにくいようにしていきます。

安定して快適な、正しい座法が組めたら、ここで初めて
本日の本題、第4段階の「プラーナーヤーマ」に入ってきます。

プラーナーヤーマは、
まずはじめに、安定して快適な背筋の伸びた姿勢ができること。
そうすると肺全体をつかった呼吸ができます。

呼吸は、1日2万回以上行っているともいわれていますが、
ゆっくりになってくると1分間に1回・2回になってくるのです。
そこまでいかなくても3回、4回にはどなたでもできてきます。
すると落ち着いてくるのです。

プラーナーヤーマをきちんと続けていくと、
煩悩性の心の働きが芽生えにくくなります、
煩悩性の心の働きが弱まります、
と経典には書いてあります。

つまりプラーナーヤーマの目的は、煩悩性の心を芽生えなくするためにするのです。

そのような目的があると、
普段がむしゃらにヨーガをやるというやり方とは変わってくるはずです。

深くて長い呼吸というのは、静かな心を作っていきます。

呼吸の定義の中に、吸う息と、吐く息、区切る部分というのがあります。
区切る部分(止める部分)を入れて、はじめて本格的なプラーナーヤーマになります。

深い呼吸は、煩悩性の心の働きと、結びついています。
その間に介在する神経とも深くかかわっています。

ですから、これを一度に向けようとしようとすると、
神経に悪影響に与えるため、かえって害になることがありますから、
時間をかけて、年月をかけて、深めなさい、と言われています。

このように続けていくと、だんだんに心が静まってきます。

佐保田先生が示された三位一体のヨーガをすると、
いつの間にかゆっくりとした呼吸ができるようになります。

背筋を伸ばして、アーサナができてプラーナーヤーマができて、心がちゃんと変化していきます。

これが、「アーサナをした結果、心がなんとなく変わりました」ということになります。


これからもこのような素晴らしいヨーガ禅をご一緒に行い、学んで頂きたいと思います。



***

実際の理論研修は、この文の5倍以上の内容と濃さがありました。
私の中で、なんとなく理解できた部分だけを割愛させて頂き、まとめてみました。



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Posted by kitten at 18:43 │Comments(0)京都研修
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